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はてなダイアリーではナキムシジュリエットというブログでした

『満月の夕』

1995
満月の夕』という歌をご存知な方はどのくらいいるのだろう。この曲は阪神大震災後にソウル・フラワー・ユニオン中川敬ヒートウェイヴ山口洋が共作した鎮魂歌である。共作とはいえど、シングルはソウル・フラワーVer【asin:B00005G627】とヒートウェイヴVer【asin:B000064Q93】として別々にリリースされた。歌詞やアレンジが違うのである。実際に震災を体験した者と、遠く離れたところから震災について考える者、違う視点からの『満月の夕』存在するのだ。(そのほかにも多くのアーティストがカバーしているが、どれも歌詞が微妙に違っているようだ。もちろんアレンジも。)tomobrickはどちらも好きだが、ヒートウェイヴVerの歌詞の

絶え間なくつき動かされて 誰もが時代に走らされた
すべてを失くした人はどこへ 行けばいいのだろう
それでも人はまた 汗を流し 何度でも出会いと別れを繰り返し
過ぎた日々の痛みを胸に いつか見た夢を目指すだろう

というところがたまらなく好きだ。前置きが長くなった・・・本題へ。先週の8日にヒートウェイヴの山口さん*1の日記に来週の金曜日にNEWS23に出ることに急遽決まったと書いてあった。それもあの『満月の夕』を歌ってくれという依頼だという。でも、金曜日?もしかして・・・関西ではOAしない金曜深夜便か?と思ってたら案の定。今日公式で発表された情報ではやっぱり金曜深夜便だった。
阪神大震災の特集で、それもあの『満月の夕』をソウルフラワーユニオンでもなく、ガガガSPでもなく、平安隆でもなく、酒井俊でもなく、沢知恵でもなく、新生ヒートウェイヴの4人が歌うのである。その特集が関西で流れないってどういうことだよ。考えられないよ。山口洋は8日の日記で『満月の夕』についてこう語っている。

自分の書いたものの中で一番人に伝わってんのに、どうして歌わないんだって、良く人に聞かれる。でも、あの歌を歌うにはものすごいエネルギーがいる。いつもあの光景がフラッシュバックしてくる。それを毎回受け止められるほど、俺はタフじゃない。・・・中略・・・
更にもうひとつ俺はあの歌が「歌えた」と思ったことがない。技術の問題じゃなくて、ね。表現しきれたと思ったことがない。出来る訳ないんだけど。俺が出来なかったことは沢知恵さんのバージョンの中に全部ある。「一期一会」ってアルバムの中に入ってる。
でも10年過った。時は無常で、かつ「time has come」なんだと思う。もういちど向き合ってみようと思う。
http://www.five-d.co.jp/heatwave/rock_diary/

このような心境で山口洋が歌う『満月の夕』。全国の人に届くべきだろう。関西の人にも届くべきだろう。なんで届かないんだろう。もう少し制作サイドは考えてほしかったなぁ。そして見れる環境にある方々、ぜひ、金曜深夜便をご覧ください。何か響いてくるものがあることを願って・・・

<番組詳細>
1月14日(金)「筑紫哲也ニュース23」にヒートウェイヴが出演!
金曜深夜便『〜被災地に響く歌があった〜「満月の夕」のこの10年』
「多くの人々に愛され、また多くのミュージシャンにカバーされている名曲『満月の夕』。阪神大震災の被災地にちなんで、ヒートウェイヴ山口洋ソウル・フラワー・ユニオン中川敬との共作で生まれたこの曲も、震災とともに誕生から10年を迎えます。この曲が歌い継がれてきた背景とは……。ヒートウェイヴの生演奏と共に、歌に秘められたドラマを筑紫哲也が語ります」(ニュース23より)
金曜深夜便コーナーは、通常24時20分ごろから放送予定です(MBSなど一部地域をのぞきます)。
http://www.five-d.co.jp/heatwave/