唄聴〜山口洋・古明地洋哉・小谷美紗子
●唄聴〜山口洋・古明地洋哉・小谷美紗子●
2005年1月27日(木)19:00〜
心斎橋クラブクアトロ 整理番号68番
17時半に仕事を終え、急いで最寄駅に向いクアトロ入りをしたのが19時ちょうど。やはり予想通り、イス席だった。真ん中や左側は人が埋まっていたため右側の空いている席に座る。
SEはDAVID BOWIEがかかっていた。
♪古明地洋哉♪ 19時過ぎに古明地くん登場。すごい地味な登場の仕方で一瞬本人か分からず・・・拍手もおこってなかった・・・(多分みんなスタッフと思ってた?)髪伸びててビックリだ。白いシャツにワークパンツというラフな格好。少しぎこちないながらも好感が持てるトーク。このイベントは古明地くんとスタッフによって発案されたものらしい。本当に素晴らしい組み合わせをありがとう。tomobrickの為に企画してくれてるような錯覚に陥りますほんと。3アーティストとも大好きだから。 ①ハルカナル(新曲) いきなり新曲をやるとは驚きだ。登場時の客の反応からすると、古明地洋哉を知らない人が多そうだ。だからあんまり関係ないかもなぁ。それにしても、次々と曲ができてるんだなぁ。ソングライティング能力はほんとうにずば抜けてると思う。天才だなやっぱ。唸るしかないよ。この曲はファルセットがキレイに響いていた。今日は弾き語りだから、CDのバンド演奏では印象が違ってくるのかなぁ? ②空砲(新曲) 2曲目も新曲。この曲がとんでもなく素晴らしかった。胸に突き刺さるような激しいギター。そして何よりも詞である・・・うろ覚えだが“僕の歌声は 君に届かない 空砲みたいなもの もう一度引き金を・・・”こんな内容の曲なのである。あぁ、古明地洋哉の唄は確かに世の中に届ききってないと思う。そのことに対する嘆きなのだろうか。いや、願いだね。もっと多くの人に届きますように・・・私もそう願ってる。ほんとにいい演奏だった。 ③想いが言葉に変わるとき この曲の前のMC・・・人づてに聞いた話らしいが、どうやらこの曲でプロポーズをして今度結婚するというカップルがいるらしい。プロポーズに使われるなんて全く意図してなかったらしく驚いていた。僕の曲はよく正座して聴かなきゃと思われてるとかも言ってたなぁ(笑)だから意外だったのかな?今まで私生活でもキューピットみたいな事をしたことがないのに、曲に先を越されちゃったなぁと古明地くん。ヒートウェイヴの山口さんは、自分達がつくる曲の1曲1曲は稚魚なんだ。それを放流(リリース)して、色んな人がキャッチする。その中でその曲は完成するんじゃないかって言ってたらしい。でも音楽には力があるって最近よく感じると言ってた。1言1言丁寧に歌い上げていたのが印象的だった。 ④マルテ 1番新しいアルバム『夜の冒険者』に収められている曲。 ⑤世界の果て(新曲) この曲の前にもMC。これまでは自分の欲求や願いを曲にすることが多かった。でも歌い続けてきてそれが叶ったのか?といえば叶ってない事が多く、現実の壁もあって。それでクリスマスの日にヒートウェイヴの山口さんの家に言って美味しいパスタを食べ朝まで色々と話したら吹っ切れたとのこと。そして、これからやる曲は今年に入ってできた曲で、唄聴の東京で初めて披露し今日が2回目とのこと。キャスターとタンバリンという第三者を主人公にしたおとぎ話のような歌で、しっかりと最後に2人が結ばれるようにしたかったと古明地くん。そして歌いだした。踊れなくなった白いタンバリンと歌えなくなった白いキャスター・・・頭の中に情景が思い浮かぶような曲だった。 ⑥love song これも『夜の冒険者』に収められている曲。歌う前に、僕はずっと花のつぼみのような握った拳よりも開いた手のひらでありたいと思うと。握った拳で相手を傷つけるのではなく、開いた手のひらで好きな人に触れたり、色んな人と握手をしたりしたいんだと。
♪小谷美紗子 ①アイシテイルノニ(新曲) ピアノがセッティングされ小谷さんが登場。衣装はチュニックの下にジーンズ。何も語らず、ピアノに座る。そして音が鳴り出した。あぁ初めて生で聴く小谷美紗子の唄とピアノの音色・・・その2つに包み込まれるような感覚はほんとうに心地よい。この曲は今世界でおこっている悲しい戦争についても歌われていた。3拍子のメロディが印象的だった。 ②火の川 イントロを聴いただけで心が熱くなった。震えた。まさかこの曲が聴けるとは・・・小谷美紗子は生のアーティストであると実感した。ライブハウスに響き渡る声とピアノはCDで聴く以上に素晴らしかった。感涙。 ③STAY 全て英詩の曲である。デビューシングルのカップリング曲でもあり、私自身思い入れも深かったり。 ④儚い紫陽花(新曲) この曲も新曲だった。ファルセットがすごく印象的に使われていて耳に残る感じ。 ⑤街灯の下で 古明地くんが大好きな曲らしく、彼にとっては心の中に土足で踏み込んできてかき回していくような唄らしい。tomobrickは生憎、この曲が入っているアルバムだけ持っていないのだ(泣)早く買わなければと痛感した。 ⑥雨音呟く(曲名不明)言いたい事を言えず、人任せにして悲しい・・・そういう内容の唄だった。この曲をやる前に、裏にいるスタッフに“話し声が聞こえています。静かにしてください。”と注意していた小谷さん。なんということ!て感じだ。スタッフの人気をつけてください。演奏中におしゃべりってどういうこと??ちょっと神経を疑います。 MCより・・・久々の大阪でのライブだったらしく、大阪の拍手が聞けて嬉しいと言っていた。もうデビューから9年(そんなに経つのかぁ・・・)クアトロでライブをするのは初めてのようだ。11年くらい前に観客として観に来た事があるといっていた。友部正人さんとピアニストの矢野誠さんのライブだったらしい。 演奏中の小谷美紗子は激しいわけでもなく、体を動かすのでもなく、淡々と唄いあげるアーティストなのだなぁと思った。少し意外だったが、どこか1点を見つめるようにピアノに向う姿は真摯であり、演奏後にふっとはにかむ笑顔が素敵だった。ほんとうに1曲1曲を丁寧に愛情を持ってうたっているのが分かる。彼女の魅力はCD以上にライブで伝わるものだなぁと思った。 4月に7曲入りのミニアルバムが発売されるようだ。今日やった曲が収録されるようなのでほんとうに楽しみである。 興味のある方、試聴をどうぞ↓ 【http://www.universal-music.co.jp/universal/artist/odani_misako/mvdh21.html】 【http://www.universal-music.co.jp/universal/artist/odani_misako/mvcd1001.html】 【http://www.universal-music.co.jp/universal/artist/odani_misako/uuch5051.html】
♪山口洋 山口氏登場!!黒のシャツにジーンズにスニーカー。時折、元気?と聞くのがおかしい(笑)このイベントのお客さんはどうやら山口さん目当ての人が多いみたいだ。小谷さんの時とうって変わりヒロシワールドが展開されていた。昨日恋に落ちました。その話は後ほど・・・と言ってハープを口にそしてギターを持って・・・ ①ハピネス あぁ、なんとまぁ、あぁこの曲をやるんですか?しょっぱななんて、私準備ができてません・・・って感じだった。奇しくも私がヒートウェイヴで始めて聴いた曲でスタート。もうこの1曲で今日きてよかったと思った。32度目の冬がくる・・・もう10年も前の曲だなぁとしみじみ。かなり崩して歌っていたため初めて聴いた人にはちゃんと伝わってるのかしら?と思ったり。“ハピネス君に会いたい ハピネス空を見上げる”ではなく“手のひらにわずかなハピネス”と歌っていた。 ②OLD MAN かなりトークも軽妙で笑わしてくれるヒロシ(41)。昨日恋に落ちたっていう話は、実はロック・ドキュメンタリー映画『FESTIVAL EXPRESS』の上映イベントで銀幕の中のジャニス・ジョプリンに恋をしたらしい。ジャニスさんとさん付けである。今まであまり興味がなかったらしいが、時に少女のようであり、老婆のようでもある、そして優しさがあり、弱さもあるそんなヒロシの理想の女性像だったみたいだ。愛を知った山口洋が歌う老人の歌!といってスタート。この曲も私が彼ら(彼?)に興味を持ち出した頃によく聴いていた唄だ。ヤングマンの前に・・・YMCAと言うのはやめていただきたい(笑)演奏中にも関わらず笑ってしまいます。でもノリノリで楽しそうな姿にこっちもニコニコ。 ③灯り 公式BBSで東京公演の唄聴のことでお怒りを受けたらしい(笑)今日は黙々と演奏していた、磨いだナイフのようだったとBBSにかくようにとヒロシ(笑)愛の化身、またの名を愛の塊の今日の山口洋が歌う灯り・・・前にもこのブログで取り上げた事があるこの曲。(id:tomobrick:20041026#p2)この詞が大好きだ。常にこんな気持ちを持ち続けて生きたいなぁって思ってる。ほんとに心に沁みた。泣けた。 ④風にハーモニカ 一変して盛り上がる1曲。手拍子もおこりはじめる。この国の政治家にはプロテストハーモニカだそう。 ⑤満月の夕 このイベントでこの曲をやるなんて木っ端微塵も期待していなかっただけに嬉しさもひとしお。思わず唸った。MBSでは放送されなかったNEWS23の金曜深夜便。そのリベンジをこのイベントで果たしてくれたようだ。もう涙もん。嬉しすぎておかしくなりそうだった。筑紫哲也はお父さんのような人だったと話していた。なぜこの曲が色んな人に歌われていくのでしょうか?と聞かれて『わかりません』って答えたらしい(笑)それだけ人の心を突き動かす力がこの曲にはあるんだよね。黄色いライトが左上から差し込む。満月の光だろうか・・・それはいいんだが、そのライトの向かいの席だったため、山口洋の顔が光って見えない!表情も全然わからない!こればっかりは残念だったが、伝わるものはあった。イントロに苦戦していたようだが・・・この曲は丁寧に歌いあげていた。やはり名曲。 ⑥今夜こそ(野田敏さんの曲) えぇ〜アリーナが満員になりまして(笑)とか、ヒートウェイヴというバンドに所属してるんですが、そのライブにはランニングかジャージで来てくださいとか笑けるMCをかましてた。このイベントを用意してくれた人、そして観客全ての人にこの歌をといって演奏されたラスト曲。聞いたことがない曲だったので一瞬戸惑ったが、(公式BBSに“今夜こそ”という曲だと書いている方がおり、やっと分かった。)盛り上がっていた。そしてギターがすごかった。この人のテクやっぱすごいよ。 マネージャーに言ったらダメといわれたらしいが、5月にツアーで大阪に来るようだ。行く絶対。
アンコール 小谷美紗子&山口洋 ①見せかけ社会(小谷さんの曲) まず山口さんが登場。そして小谷美紗子さんですと紹介。小谷さんの世界を壊さないようにしますと山口さん(笑)そして・・・見せかけ社会。この曲は高校生の時によく聞いていたなぁ。山口洋の詞と共通するような面があるなぁと思う。小谷さんがピアノで弾き語り、山口さんがギターを入れる。 3人で ②Across The Universe(The Beatles) そして古明地くんも登場。今度また唄聴2をやるときは来てくれますか?との問いに小谷さん『はい』ヒロシ『いいえ』だった(笑)あとで訂正してたけど。そして小谷さんが選んだと言うこの曲で・・・ボーカルは古明地くん&小谷さん。山口さんはひたすらギターに。小谷さんと古明地くんの声が重なる心地よさがたまらなかった。けっこう山口さんは控えめギターだった。
tomobrickがこの3アーティストを好きになった時期は全くバラバラだ。そんなアーティストが一つの場に会して弾き語る。これほどの至福の時間を過ごせたことに感謝。3アーティストとも、唄声、唄う言葉、かき鳴らす楽器一つ一つを大切にしているなぁと感じた。この3アーティストを聴いた事がない人が多いという事は知っているが、CDよりも『生』で聴くことをオススメしたいアーティストだ。