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はてなダイアリーではナキムシジュリエットというブログでした

桃乃未琴『地気遊戯』

地気遊戯
桃乃未琴『地気遊戯』(2001/02/21)
桃乃未琴*1の4枚目のアルバムにしてラストアルバム。ちょうど4年前の作品だ。10曲収められているのだが、曲ごとに異なった印象をうける。プロデューサーも楽曲によって違ってたりするところも一因だが、まず歌い方。クラムボン原田郁子みたいな音の残し方(わかるかな…)をしたり、でも時に骨太に激しく歌い上げたり、かわいかったり。すごく表情をもっているのだ。それは楽曲も同じである。面白いコード進行、独創的で個性的なメロディ。
聴けば聴くほどクセになる感じ。tomobrickでいうところの中毒盤だ。どんどん引き込まれていくのが自分でわかる。クレジットを見ると、彼女は全ての曲でアコギを演奏してる。ライブでは片手に持って歌ってたのかななどと考えたり。これ以降シングル1枚しか出してないってコトは・・・売れなかったんだろうなぁ(推測)

①白く、白く。
プログラミングを駆使しエキゾチックな感じが出ている。もうこの時点でかなり個性的だ。

②大切なコト
先日このブログでも書いた、最近出会えた素晴らしい楽曲(id:tomobrick:20050211#p4)というのがこの曲。何回聴いても飽きないんだほんと。素晴らしい。シングルにもなっているこの曲。静かにたゆたうような優しいメロ→壮大に展開していくラブソング。1コーラス中で個人的に琴線に触れる瞬間が3回もあるんだよ。これはすごい。で、クレジットを見てみたら、この楽曲の作曲は玉置浩二なの。それにもビックリだ。いいメロディ書くなぁと。安全地帯聴きたくなってきたなぁと。詞もめちゃよくて、暖かくて共感できるラブソングだ、まさに名曲だと思う。グッとくる時にに入るファルセットが気持ちいい。そうそう、ASA−CHANGがドラム叩いてたりする。おぉっ!って感じだ。

③ハダシのメガネ
カラフルな極上ポップ。2曲目からのいきなりの変化に戸惑う感じだがこれも桃乃未琴なのかぁと。曲間のコーラスも◎。これまたASA−CHANGがドラムを。お気に入り曲。

④つないだ手つないで
ちょっと歪んだリフで始まるこの曲。変てこメロに入ってくるストリングスが面白い!
この曲は上田ケンジ*2がプロデュース。これまたおぉっ!って感じ。

⑤熱
ピアノをフューチャーしたドラマティックな曲。日本語に聞こえない歌い方。この曲もストリングスあり。

⑥青いトゲ
ブルージーでかつソウルフルな曲。サビメロにフックがきいてる。骨太声の合間のファルセットがめちゃめちゃ気持ちいい。私が今まで抱いてた桃乃未琴像に一番近い曲かも。この曲もシングル曲のようだ。オススメ。

⑦雨声
アコギとピアノを使ったフォーキーでシンプルな曲。畳み掛けるような歌い方が◎伸びのあるサビメロとその後ろに重なる厚めのコーラスが◎これまたオススメ。

⑧キオクマデ
静かなピアノでミディアムテンポで始まる楽曲。後にストリングスを入れた壮大な展開へ。
このあたりまで聞いていると彼女のソングライティングセンスのよさを感じる。2曲目の玉置浩二作曲曲以外は全て彼女の作詞作曲だ。かなりグッとくる。好きだ。力強い声も。誰も真似できない彼女にしかできない音楽。

⑨魔法の翼
だんたんフェードインしてくるイントロ。ムーグを使ったりしてるミディアムロック。音的にはかなりtomobrick好み。この曲では桃乃自身がドラムを叩いてる。オススメ曲。

⑩また、明日
このアルバムの中で一番シンプルな曲かもしれない。ここでテルミンを使ってたりするんだなぁ。おもしろい。最後に相応しいスローナンバー。単調なメロながらも情景が浮かぶような詞が◎

はっきり言って捨て曲いっさいなし。かなりバラエティに富んでるものの、桃乃未琴の色んな側面が見えるような気がする。メロディセンスも素晴らしいし、声もいいし。名盤ここにありって感じだ。
オススメ曲
②大切なコト③ハダシのメガネ⑥青いトゲ⑦雨声⑨魔法の翼
こんなアーティストを知りながらも聴かなかった事を後悔。他の作品が聞きたくてしかたない。これから色々探し回ろうっと。
現在彼女は本名の平岡恵子として活動しているみたいだ。また元CANNABISの加藤哉子との“トリマトリシカ”というユニットでも活動しているみたい。
http://www.torimtorishuk.com/

*1:モモノミコト

*2:元KENZI and THE TRIPS、the pillows