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はてなダイアリーではナキムシジュリエットというブログでした

スクエア第17回公演『けーさつ』@ワッハホール

●2005年7月15日:スクエア第17回公演『けーさつ』@ワッハホール:座席D5,6

約半年振りの観劇に妹と行ってきた。私たち姉妹が大好きな劇団のひとつ“スクエア”。大好きな割には今までオムニバス形式のスクエアしか見たことがなくって(妹は見たことあるんだけど)。今回はとても楽しみだった。スクエアの4人の他に大好きなわかぎゑふさんが出演ということで、気持ちも高まる。他にはランニングシアターダッシュの佐久間京子さん、爆苦連名世!の長尾ジョージさんの2人がゲストだった。この2方を見るのは初めて。
芝居の舞台はとある小学校の1教室。ちょっと古びた感じがする教室で、隅々までかなりこだわりが垣間見える。すんごいリアルな舞台装置。小学生時代にタイムスリップしたような、気分にさせてくれた。“麦茶”と書かれた書道の作品が並んでたり、ロッカーには絵の具道具やお道具箱、机にはなわとびがかかってたり。壁の掲示物も“つめを切りましょう”だの“ニモみたいに頑張ろう”だの(笑)あとクラスの目標だの。始まる前のSEには何故か“トレモカモミロ”が!!!懐かしい♪
こんな小学校を舞台に繰り広げられるのはもちろんスクエアお得意のコメディ。子供たちの事に関してはとっても熱血になるんだけど、どこかほんわかしててとっても怖がりな一面を持つこのクラスの担任の先生*1。息子が突然家出してしまい仕事中にも関わらず制服で息子を探し回るあまり学校にまでやってきてしまったお父さん警察官*2。とても気弱なんだけど学校の子供たちのことを理解しているこの学校の用務員のお兄さん*3。バリバリ妄想派で人の話を聞かずすぐに自分のペースに持って行ってしまう交通課の女警察官*4。けっこう中立な立場で1番冷静に考え暴走気味の場をまとめる交通課の警察官*5かなりの熱血漢で涙もろく時に暴走癖が出る所轄の警察官*6。“騙されるな”じゃなくて“騙されろ”が口癖、正当な事を言ってそうで実は?警官としていい仕事をしようとするも尻切れで、そしてどこか説教臭い所轄警察官*7。こんな超個性的な登場人物7人が夕暮れ時の小学校であれでもないこれでもあいと繰り広げるお芝居は面白くないわけがない。
訳が分からないまま被害者になってしまった担任の先生。そしてこれまた訳が分からないまま被疑者になってしまった用務員のお兄さん。この一軒さん演じるかなりの挙動不振ぶりな用務員が実に面白い。スースー息が入るような喋り方で、ボソボソっと話し方怪しすぎ。そして警察官としての使命に燃えるあまりに空回りする警官たちのはちゃめちゃさ、暴走もかなりの見もの。いつしか本来の目的である事件の解明を忘れ、子どもたちの机の中身や図工作品、そして子どもたちがやりとりしている手紙に気を奪われ翻弄されていく様が実に愉快。見ているこちら側は終始笑いの渦である。やっぱりスクエア自身でコメディユニットと称してるだけあるね。そこらかしこに散りばめられた笑いは本がしっかりしてるからこその賜物。途中の金八小ネタには爆笑。それから最後にはホロッとさせてくれるところもしっかりとつくるところがまたよくて。森澤さんいい本書きますね。ほんと関心。そして何よりもこの超個性的な面々。彼ら彼女らのこれでもかーってな仕事っぷりが素晴らしかった。ゑふさんのまくし立てっぷりも長尾さんのちょっと気持ち悪いくらいの熱血ぶりも実に素晴らしいものだった。そして北村守さん、まもるん♪役者としての存在感ありあり。相変わらずのキレっぷり最高。また一つ傑作に出会えた!という嬉しさでいっぱい!!(実はけーさつは再演なんですが・・・)。
スクエアって関西の劇団ですが、それほどコテコテしてないので見やすいと思います。誰彼問わずとっても楽しめるお芝居なので、ぜひぜひたくさんの人に見ていただきたいなー。大阪では18日(月)までワッハホールで。東京は7月29日(金)〜31日(日)まで三鷹市芸術文化センターにて。公演数が少ないのがもったいないくらい。自信を持ってオススメします。やっぱ生のお芝居っていいなぁ。そう思わされた2時間強でした。

最後に劇団HPに載っていたあらすじを。

のどかな放課後の小学校に鳴り響いた、女性の悲鳴。
慌てて駆けつけるパトロール中の警官たち。
教室に倒れた女教師と、校舎にひそむ不審な男。そして、謎の粘土細工と彫刻刀。
一体、この教室でどんな事件が起こったのか?
テレビドラマのように鮮やかな事件解決を夢見て、使命感に燃える警官たち。
しかし、彼らが張り切れば張り切るほど、
捜査はもつれ、推理ははずれ、余計な謎を呼び、その余計な謎がまた余計な謎を呼ぶ。
そもそも事件は起こったのか?
脱線しまくりながらも捜査を進める彼らの前に、やがて、意外な真実が浮かび上がる。
それは、この教室に通う一人の小学生の真摯な思いだった・・・。
大阪が生んだ喜劇の貴公子スクエアが贈る、笑いと感動のポリスコメディの傑作。
待望の再演!!
http://www001.upp.so-net.ne.jp/emuemu/square.htm

*1:佐久間京子

*2:スクエアの作家であり役者 森澤匡晴

*3:スクエアの演出家でもあり役者 上田一軒

*4:わかぎゑふ

*5:奈須崇

*6:長尾ジョージ

*7:北村守